平成7年の宗教法人法改正により、宗教法人の計算書類等の作成、備え付け、閲覧及び提出の見直しが行われた。
それまで、宗教法人は財産目録を作成し備え付ける必要はあったが、貸借対照表又は収支計算書については、作成している場合には備え付けることとされていたが、改正による宗教法人法第25条第4項の定めにより、一定の小規模法人を除き、決算日以後3ヶ月以内に収支計算書を作成し備え付けることとされた。また、これらの備付け書類を毎年所轄庁に決算日以後4ヶ月以内に提出することとなった。貸借対照表についても、宗教法人が作成していれば提出することが必要になった。さらに、これらの書類について信者等の利害関係者が閲覧請求をすることができることとなった。
宗教法人が自らの会計に係る情報を充実させ、本来の活動や事業の運営に役立てることは、宗教法人の社会性を確保する上で必要かつ重要なことである。かねてより関係各位から、それらを適切に実行していくため、会計の指針となるものが要望されてきた。このような動向を踏まえ、日本公認会計士協会では、宗教法人の会計について自主的に検討を進められてきたが、このたび「宗教法人会計の指針」として取りまとめたものである。 宗教法人においては、法人の規模や内容も様々であり、また、宗教法人の運営の自主性と自律性を重んじる宗教法人法の趣旨に照らしても、会計処理の方法や計算書類の作成方法について一律の基準を示すことには困難な面がある。その中で、本指針は現下の制約に捕らわれず、将来に向けて、宗教法人における会計処理及び計算書類作成の指針を提案するものである。したがって、本指針では、宗教法人法に規定された会計に係る書類の範囲に止まらず、会計の体系を保持する上で必要と考えられる書類の作成についても言及している。 本指針が多くの宗教法人における実務の便宜に供されることを期待するとともに、宗教法人の会計に関わる多くの方々の批判、意見を通じて、宗教法人の会計実務の発達に役立つことを願うものである。
宗教法人の監査に対応した公認会計士事務所
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